近江兄弟社中学校:OMI BROTHERHOOD JUNIOR HIGH SCHOOL

近江兄弟社中学校 デジタル地の塩

備えあれば… -2009年を振り返って-

 2009年は,予期しない出来事が私たちの周りで数多く起こった年であったように思われます。世界や日本の経済は危機に見舞われ,政治の世界では政権交代があり,身近なところでは新型インフルエンザの流行で学校が休校になったり等々。私たちの生活も大きく影響を受けた年でもありました。これらの出来事は本当に予期せぬ出来事だったのでしょうか。皆さんも,記憶に新しいと思いますが,新型インフルエンザが発生した初期の段階で日本では「水際対策」といって,物々しい装備をした検疫官が機内検疫を行っていました。感染の疑いのある人を1週間ほど政府が用意したホテルに留めたり,今から考えたら「何もそこまでしなくてもよかったのに!」と思った人も多いでしょう。しかし,今回の新型インフルエンザの危険性がそんなに大きくなかった結果から言えることかもしれません。それでも日本では,12月現在の罹患者数が1,546万人で死者が100名を超えたといいます。1918年にスペイン風邪が世界的に大流行し,全世界の死亡者数が推定で 2,000~5,000万人,日本でも38万~45万人が死亡したという過去の経験があり,近年では,新型インフルエンザの発生の危険性や毒性などの研究が世界的に行われていて,それぞれの行動マニュアルが作られていたという経緯があります。もし今回の新型インフルエンザが強毒性のものだったらと考えると,物々しい装備をした検疫はあってしかるべきだったと思います。
 地震国日本では,「地震予知」の研究が昔からなされてきました。しかし,1995年1月の阪神淡路大震災をきっかけに「予知」から「防災」へとその方針が大きく変わり,地震が起きたときにどうするのか,地震による被害を少なくするにはどうすればよいのかという研究が進んできました。地震に強い建築物(耐震性や免震)の研究,救急医療のあり方,自治体の取組など,具体的に大きく前進しています。もちろん,現在も「地震予知」や「予測」の研究も続けられています。
 このように,2009年は出来事に「備える」ことの重要性を真剣に考える一年でした。冒頭に「予期しない出来事」といいましたが,実は「予測可能な出来事」であり,それに対する「備え」が必要であることを実感しました。この「備え」は人間がもつ優秀な能力です。上述したような,世界的・国家的な「備え」ではなく,私たちの身近な事への「備え」は人生を豊かにし,周りの人たちに安心感を与えてくれます。さあ,皆さんにはどのような「備え」が必要でしょうか。少し考える時をもって冬休みを迎えて欲しいと思います。

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