2007/07/20

優秀な作文の紹介(受賞作品)

 毎年、各協会や各法人から夏休み前に多くの作文コンクールの応募案内が届きます。
国語科では、夏休みの宿題で、それらの応募作品の中から、常々、自分が考えているテーマや、意見の発表の場として、題材を各自が選び、作文に取り組みます。その結果、今年度も全国や近畿レベルで優秀な成績を収めています。順をおって紹介していきます。

第24回「滋賀県中学生 水の作文コンクール」最優秀賞(滋賀県)

第 4回「琵琶湖・淀川流域水の作文コンクール」流域賞
     (三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県)

『私が残したいもの-琵琶湖-』   濵田 明里

 ここは、琵琶湖西岸、松ノ浦。琵琶湖に住んでいる、私達と同じ生物達の話がはじまります。
 「もう春だなぁ。」水の中を散歩しているアユのアユ太がつぶやいた。「あったかいね。」とヤリタナゴのヤタ郎もつぶやいた。二匹でゆっくり、ゆっくり、の~んびりと。水にうかんだ太陽の光の線を見あげていた。
 その時「どけー!」という声がした。声の方を見ると、ブルーギルのブルとブラックバスのブクの大群がおしよせてきた。ブルは、「お前らには、仲間があんまりいないみたいだな、まっ、オレにとっては、関係ねーけどな。」と言って、通りすぎていった。
「なんだよ、べつに少なくてもいいじゃねーかよ。」とアユ太が怒っていると、ヤタ郎が、「確かに、小さい時に一緒に遊んだ友達も今はどこにいるのか、生きているのかどうかもわからないからなぁ。」
「そう言えば、ウチの父ちゃんが、ブル達がここに住みはじめた頃に琵琶湖にいる魚達がいなくなってしまうかもしれねぇ、って言ってた。・・・あいつらが産まれたばかりの魚を食べるから、ここにもともといた魚がいなくなるんだな。」
 浅瀬に行くと、砂の中にいるマシジミのマシさんとセタシジミのセタさんに声をかけられた。
「あなた達、あまり浅い所に行かない方がいいわよ、たばこや花火のカスでいっぱいだから。」
「今の聞いたか?」と言うとヤタ郎はうなずいた。
「そっか、だからだ! このごろ水がキレイじゃない訳がわかった。人間がいろんなゴミを捨てたからだね。」ヤタ郎も
「人間がいろんなゴミを琵琶湖に捨てるから他の生き物達も住みにくくなるんだ。みんな人間がいけないんだ!」
 ヤタ郎とアユ太が怒っていると、水草を食べているコハクチョウの奥さんとオオヒクシイの奥さんが声をかけてきた。
「坊や達、そんなにかっかしないで。私の話を聞いてくれる?」そう言って二羽の奥さん達が話しだした。「この前ヒクシイさんと一緒に琵琶湖一周しに行ったのよ。そしたらね、人間のこども達が浜に落ちているゴミをみんなで拾っていたのよ。小さい子や大きい子までみんなががんばって拾ってたわ。」
「それに、散歩の途中にゴミを拾って帰ってくれる人も、ちょっとでも琵琶湖の水をキレイにしようとしている人もいっぱいいるわ。」
「同じ人間でもゴミを捨てる悪い人、それを拾ういい人、いろんな人がいっぱいいるの、だから人間は悪い人ばかりではないのよ。」アユ太とヤタ郎は、人間が悪い人ばかりではないことにびっくりした。「悪い人ばかりではないんだ。」アユ太が言うとヤタ郎も、「そうだね、ぼく達のためにがんばってくれている人もいるんだね。」と答えた。
 小学校低学年の頃の私の「琵琶湖」は、夏になったら泳ぎに行くただの湖でした。しかし、高学年になると、その「琵琶湖」は、数えきれない生き物の「命」がつまっている所であり、私達人間にとって、生きていくにはかかせない湖だということがわかりました。
 私はいろんな琵琶湖を見てきました。空の青よりも青く、場所によっては、緑と青をまぜたような不思議な色を放つ琵琶湖。大雨が降って波が荒く青黒い琵琶湖。雨あがりに雲のきれまから太陽の光が琵琶湖へ一直線に走り、キラキラと水が光るすがすがしい琵琶湖。未来に生まれてくる人達にも、私が見たいろいろな姿の琵琶湖が見られるような「琵琶湖」でいてほしい、私はそう思っています。

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